HOWTO 商品撮影


1.教訓
レンズの前の仕事を丁寧に。
2.光源
商品撮影の基本は、1灯の点光源で影をレフ版で起こす。
3.ライティング ・・・ 今回撮影に使用した光源
@フラッドランプ1KW
  (岩崎電気・アイランプ)
Aモノブロックストロボ
  (300W)
4.補助ライト
@ハンディライト(フラッド)500W
  (岩崎電気・アイランプ)
5.ディフューザー
@フラットライドの場合・・・トレペ(トレーシングペーパー)
Aモノブロックの場合・・・・アンブレラ(白黒)
6.レフ版
@白板、アルミ板、ステンレス板(ビン類への写し込み用)、鏡など
 ※被写体に応じてハンドメイドのレフ版を作る工夫がGood。
7.ホワイトバランス(WB)
WBの設定・・・撮影前に必ずカメラに記憶する。(光源の変化に応じてそれぞれ設定。)
@露出計で入射光を測定して、その値(適正露出)でグレーカード(18%反射板)をぼかし撮影する。
  ※グレーカードの撮影位置は、光源に対してカメラ角45度。
  ※標準反射板の18%とは、人間が可視するRGB値の反射は約18%(逆に82%減衰する)とされ、この数値はハイライト(255)からシャドウ(0)の中心輝度(128)を指し、自動露出の場合(Av,Tv)、適正露出として、この値に補正するようにカメラは造られている。

AカメラのMWB(マニュアルホワイトバランス)画像選択。
B撮影したグレーカード画像のヒストグラムを表示して、中心縦1本を確認。(右写真)
CWBをマニュアルに固定する。
8.カラーバランス
@撮影前には、印刷用にカラーチャートを撮影しておくと印刷所で色の確認がし易い。
※白色は印刷所では上限が242まで再現できる。
※白とびは255。
9.モノブロックストロボ撮影
@光源は基本的に被写体の上部後方。・・・影の調整が必要。
Aプリ発光を行い、露出計で被写体の前方はカメラに向け、後方は光源に向けて測定する。絞り値は測定値の中心値。
Bストロボ光とシンクロするシャッタースピードは、1/60〜1/125の範囲。(環境光の影響を受け難い 1/125が望ましい)
Cストロボ光源以外の撮影場所にある定常光は、ストロボの照射が早いため影響は殆ど受けない。
D屋内外の異なった定常光がある場合は、1:1のライティング。(ディライトシンクロ) ・・・ 例:レストランなどの窓と内部。
    ・イメージ写真
@ぼかし量を考えた絞り値にストロボの光量(主に減光)を調整し露出計で測定して、ぼかし撮影する。
Aバックは、ハンディライトなどを使用して明るく撮影すると良い。
10.その他備品
@背景 ・・・ 3×6判のデコラボード等々
A布類
Bグラスに着く水滴(清涼感を醸す) ・・・ ユノン(乾性フッ素潤滑剤/日本バルカー工業)
  ※使い方 ・・・  塗布後、軽くティッシュなどで押さえてから、水をスプレーする。
C人物撮影の反射板(白/36判縦使い) ・・・ ライティングは被写体の45度前方(陰影を強くしたい場合は黒い布を覆う。)
                             ※女性の撮影は、光源に顔を向けるとキャッチライトとして良好。
DCCフィルター ・・・ 緑を際立てる場合は、カラーバランス25G(薄め)のゼラチンフィルターがGood。
11.色空間及び、記録画質
@色空間はカメラ、及び現像ソフトともに色域の広いadobeRGB設定が望ましい。
A印刷用、WEB用は、RAW画質で保存。のちにRAW現像ソフトでTIFFに変換して保存。
 ※CANONのRAWは14ビット、TIFFは16ビット、JPGは8ビット
12.現像
@ホワイトバランスはRGBをカラーチャートのグレー面でRGB値を合せる。
A画像出力は、印刷用350dpi WEB用は72dpiが標準。
B使用する目的により異なるが、色空間は汎用のsRGB出力が一般的である。




[ スタジオ エフワン ] 〒106-0032 東京都港区西麻布1-8-7 綿工連会館B1
[ 写真 ]白取一則(右)と筆者



『写真家・白取一則 経歴』
・青森県弘前市生まれ
・日本大学芸術学部写真学科終了
・写真家藤井秀樹氏のスタジオFでコマーシャル、ファッション、
  エディトリアルの修行後独立現在六本木にスタジオを経営
・主な作品に「華麗なる万年筆物語」「華道連盟百花繚乱」
  「チーズの辞典」「ハーブの辞典」「オーディオビジュアル入門」など。